V FOR VENDETTA

久しぶりに劇場に行って映画を観た。

Vフォー・ヴェンデッタ

アンディ&ラリー・ウォシャウスキー兄弟の脚本で、マトリックスと同様に革命賛美な映画。脚本自身はマトリックス以前に書かれていたそうなので、逆に言えば、マトリックスがこの作品の変奏曲、というより押井守の『Ghost in the shell』と足して二で割った作品であったのではないかと。
怪人アラン・ムーアが原作のクレジットから外すことを要求したことから、観る前から全然期待していなかった。でも、ある程度アクションシーンが気持ちよければよいかと思っていたが…。
ちょいとダメでした。
筋は原作にある程度忠実。当然2時間で収めるために原作を全部は取り上げていないが、選別したエピソードと設定自体はある程度納得できるもの。それ以外の映画独自に行った設定変更がチープなのも、分かり易くするための処置といってしまえば仕方ないかもしれない。僕自身も最初から諦めていたし。

でもさ、期待したアクションがもう面白くない。新奇性もなければ、キレもない。
殊能先生が言うように、ナタリー・ポートマン丸坊主にしたかった映画というのが正しいかもしれない。観ていて痛々しいコスプレもしていたしな。

オメガ

大学に入る前に数学基礎論の講義を一週間ほど受けたことがある。公理論的集合論からゲーデル不完全性定理までを教えるもので、当然、僕の様な頭の出来では理解するなどということは出来ず、ただ眼前で繰り広げられる数学の豊穣さに魅入られただけである。ときどき睡魔と闘ったりもしたが。

それで、不完全性定理を理解することが出来れば、自分の世界認識が変わるであろうという妄念に取り付かれて、受験の志望学科を数学にするなどと暴挙にでた。若気の至り以外のなにものでもない。もしくは『認めたくないものだな、若さゆえの過ちというものを』である。

その後、大学に入学し、実際の学科分属時には数学から物理にあっさりと鞍替えしてしまうわけだが、数学基礎論に対する興味はずっとある。どうしようもない人間は僕以外にもいるもので、親しくしている友人のなかにも基礎論を愛する人間がおり(実は前述した講義にこの友人も参加していたわけ)、新入生とのゼミでは基礎論のテキストを読むのがある種通例になっていたとおもう。その友人は現在でも基礎論を専攻して、格闘している。

ということで、日経サイエンス6月号に

G. チャイティンゲーデルを超えて オメガ数が示す数学の限界』

が載ったので有無を言わさず買った。『セクシーな数学』では、オメガ数に関しては注釈程度しか言及しておらず、このようなわかりやすいショート記事が欲しかったのだ。所詮、数学者でもない手遊び程度の興味であるので、論文そのものは手が出るわけでもなく、ちょうど飢えを満たしてくれる解説である。読んでいて興奮する。公理にまつわる部分で確率論が入り込む、先の友人に概略を聞いていたが、やはり面白い。このような成果は、もっと周りに喧伝するべき話だと僕は思う。

名古屋に帰っていたので、名古屋在住の基礎論を昔専攻していた現在医学部生にこの記事を見せたら、「俺も買う」と即答していた。現基礎論研究者の友人とも語りたかったのだが、予定が合わずに、会うことが出来なかったのは残念である。


ところで、日経サイエンスを久しぶりに買ったのだが、1400円もするんだねぇ。院生のときは、図書館でロハで読めたのだが…。

『知の限界』、『数学の限界』にも手をださねばならぬか。

名駅・杜の倉

暫く逢っていなかったが現在は医者になった先輩と、僕の親友でもある後輩と三人で飲む。この先輩とは、学部二年の時分に、法学研究会のサークル室で毎日のように顔を合わせて、僕は物理を、先輩は医学を、と対象は違えども朝から晩まで勉強した仲である。
何時の間にか2児の父となっていたが、全く変わっていなかった。この三人が集まれば、必然的に音楽談義になるのだが、家庭を持つと音楽を聴いている暇がなくなると嘆いていた。僕自身も、年々、音楽に対する衝動は少なくなってきているが、それでも常に模索していく姿勢は持たなければいけないと思う。
店は昨今流行の焼酎中心の店。なので焼酎は美味しい。でもウィスキーの響と山崎は保存状態が悪かった。おいてあるだけマシなんだけど。

合宿最終日

最終日。ちゃんと起きて朝食を食べたよ。参加しだして今年で7年目になるが、午前中を全て起きたのは初めてでは…。奇蹟だよ。
いつもの如く、午前中のセミナーが終了後、名駅・山本屋にて味噌煮込み饂飩を食べる。
今年で学生じゃなくなるので、最期のつもりで来た。しかしながら、後輩達は「来年も来て下さい」といってくれるので、半分リップサービスと理解しながらも、その言葉に甘えて宴会のみ参加しようかと、密かに思っています。
皆様、お疲れ様でした。

合宿三日目

朝食の時間には起きれませんでした。orz
ながらも、今日の朝、京大・数学D3の友人が帰ってしまうので、頑張って起きる。「こんな早朝に見るなんて…」といわれる。そんなんばっかりや。
今日は、物理中心。古典+重ね合わせ+不確定+流体力学で、シュレディンガー方程式までいけないか?という学部三年の人の発表は、途中で論理がグダグダになるものの、苦闘が垣間見れて面白かった。R 研の(サークルの)後輩の微分方程式の解き方の話は、相変わらずの計算量だった。いやはや。
夜は、僕が担当で Gutzwiller の跡公式の(途中の計算をすっ飛ばした)導出とその物理的な意義、及び Riemann 予想との対応の話。今まで自分の専門の半古典論の話をしたことがなかったので。途中で漫談を混ぜつつやって、笑いが取れたので良し(?)。
宴会は、激しくはなかったが、物理連中で集まって盛り上がり。

合宿二日目

いつもの如く、午前中は二日酔で寝過ごし…ということにならず、朝全員を起すという非常に几帳面な性格の人がいて、無理矢理起される。少々酒が残っているものの、充分動ける程度だったので、午前中から講義を拝聴。皆に驚愕の目で見られる。
一番面白かったのは、ライプニッツの思想に触れつつ超準解析を説明するという話で、数学基礎論の知識なんて、昔かじって以来忘却の彼方に消え去って等しく着いて行くのに少々厳しいところもあったが、演者の語りが抜群で最期まで飽きなかった。専門家の南君が今年来ていなかったのが悔やまれるな。
毎年、絶対出来てくるのは、グロモフとグロタンディーク。彼等の業績を考えれば避けては通れないのであろう。
今年は、いつも宴会の買出しに車を出してくれるアンドー君が来ていないので、歩いて近くのコンビニへ買出しに行く。一部の人に呼び出してくれといわれたが、僕が命令すると彼のことだから本当に来てしまう可能性があるため、冗談ですまなくなってしまうんだよ…。
で、宴会。酔い潰れる。気付いたら、皆で「あの子が欲しい♪」の遊戯をしていた。何だ、この人たちは!!