立喰師列伝

押井守立喰師列伝


劇場で観て置かねばならないということで、観に行った。渋谷シネクィント。小説『立喰師列伝』が出たときに、表紙の写真に業界著名人を使っていることに随分笑ったものだが、まさかそれをそのまま役者として映画を撮るとは思っていなかった。ほとんどが素人なので、演技など出来るわけはない。従ってミニパトと同じ紙絵パラパラ漫画みたいな手法で映像を構成し、声はほとんど山寺宏一のアテレコとナレーションで済ますという荒業(?)である。『立喰師かく語りし』(映画を観る前に読了)では、この手法だけで映画史に残ると述べられていたが、まぁ、そーなんでしょうなー。全てをナレーションで語って済ますというのが万人に受けいれられる訳でもなく、Web に転がる感想をみると『ラジオドラマと何が違うんだ』という手厳しい意見も散乱していた。僕自身は、『イノセンス』があまりに趣味を前面に押し出していたのと、押井守の実写映画が『アヴァロン』を除いて実験映画の要素が強いので、ある程度退屈でも仕方ないと覚悟していったら、意外と楽しく観れた。確かに、小説をまるまる読み上げているだけのところもあって映画媒体としての意義を問いたくなるが、散りばめられたマニアックな小ネタにくすぐられてしまうのは体質として仕方ない。趣味で作られた映画なので、それに浸かれる人間だけ楽しめばよいのだはないだろうか。



映画の感想はどうでもよいとして、シネクィントは平日初回は1000円で観れる為、院生時代はそれを利用していた。なので、今回のように休日に見に行ったのは、随分と久しく、整理番号が発行されるかも覚えていなかったので、かなり早めにチケットを買いに行ったら、
店員:「整理番号制ではないので、直前に列を作る程度の時間に来て、混雑具合を確認してください。立ち見になっても払い戻しは出来ませんので、その時にチケットの購入を決められることをお勧めします」
とチケットを売ってくれず。
KDD:「整列を行うのはどれぐらい前でしょうか?参考まででよいので教えてください」
店員「毎回の混雑具合によるのでわかりません」

文句があったときの責任逃れのために言っているんだろうけど、親切を装っているのがちょっと不快ですね。