Liszt & Chopin

『パリのヴィルトゥオーゾたち ショパンとリストの時代』 ショパン
ヴィルヘルム・フォン レンツ (著)、中野 真帆子(訳)

リストとショパンに師事したレンツによる、二人についての回想録。
「俺が二人にウェーバーを教えたんだ」とか、自慢がさりげなく入っており、また当時のフランスの音楽状況が垣間見れてとても面白い。そして、リストとショパンの人となりも比較されて語られている。リストに試験のため弾かされたピアノ、リストに習った型がショパンに批判されている件、ジョルジュ・サンドショパンの関係など、目を引くエピソードに事欠かない。天才音楽家に付き合うのはたいへんだってことか。
付録が非常に充実していて、特に訳註は労作ではないだろうか。