物語消滅論

物語消滅論角川oneテーマ21
大塚英志(著)

なんだかんだとその著作を全て読んでいる気がする大塚英志。物語をコード化できる部分はあると思っていて、それを実地に応用していくのは面白いと思う、って書くと前の著作の感想と同じになってしまう。
物語を生成する機械って彼が指摘する遥か前に…という話はローカルすぎるので、これでやめておくが、その発想はする人が多いということ。

色々疑問点

  • 近代小説の解釈や現状分析は面白いのだけど、その接合の仕方ってこれでよいわけ?また近代以降の小説を無視しているのはどうなのか?特に外国勢。
  • メフィスト系を過剰に評価しすぎ。入れ込みすぎ。
  • 村上春樹が一番影響を受けているのはH.P.ラヴクラフトと言い切っちゃていたが、その根拠をきちんと示して欲しい。作者が述べていない影響を指摘するのは、批評家の面目躍如であると思うが、あまりに突飛過ぎてついていけない。

時々思うのだけど、「文学」云々といって議論している人達ってまるで本を読まない人々をどのように思っているのだろうか?評論家が百言を労するより、芸能人の一言の方が宣伝効果で売れるという現状をどのように受け止めているのだろうか。あまりそのような議論を見たことがない。僕が読んでないだけかもしれないのですが。