FATHER and SON

仕事帰りに渋谷に寄ったので、そのままユーロスペースへレイトショーを観に。ユーロスペースが移転してから実は初めて行ったのだが、昔あった雰囲気とそれほど変わっていなかった。劇場自体は少し広くなったのかな・・・。

アレクサンドル・ソクーロフ『ファーザー、サン』

シーン当初のあえぎ声と裸で抱き合っている映像から、父子の同性同士の濡れ場かと思い、少々当惑した。ほとんど同性の恋人のように生活する父子。バックに転がるタナトスの感触。唐突につぶやかれる意味深な台詞。
特に気に入っているのは、息子と(元)恋人との会話。金網越しと階上下間などそれぞれ触れられない距離において、理解しあいながらも拒絶しあうの会話は絶妙で、その息遣いに飲まれそうになる。
僕はソクーロフ映画の熱心なファンでもないが、その場にある居た堪れなさには緊張感を感じて不思議な気分になる。遠くで聞こえる晩鐘のような静かながらも凛としてある存在感とでも言おうか。



そういえば、ソクーロフイッセー尾形昭和天皇を演じる『太陽』は今夏に公開されるようだ。日本上映は無理だと思っていのたで、とりあえずめでたい。
上映館はどこになるのだろうか?